プロフィール

梶川 裕矢 / Yuya Kajikawa


東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科 教授
東京大学大学院工学系研究科 客員研究員
工学博士

略歴

1999.3 東京大学工学部化学システム工学科卒業
2001.3 同修士課程修了
2004.3 同博士課程修了(博士(工学)号取得)
2003.4-2005.3  日本学術振興会特別研究員(DC2)
2005.4-2007.3  東京大学大学院工学系研究科助手
2007.4-2009.3  東京大学大学院工学系研究科助教
2009.4-2012.3  東京大学大学院工学系研究科特任講師
2012.4-           東京工業大学イノベーションマネジメント研究科 准教授
2013.9-           東京大学大学院工学系研究科 客員研究員
2014.4-           名古屋大学イノベーション戦略室客員教授
2014.4-           名古屋大学来社会創造機構社会イノベーションデザイン学センター招へい教員
2017.9-           東京工業大学イノベーションマネジメント研究科 教授

Webページ

http://www.k-lab.mot.titech.ac.jp/

コメント

産業における競争力の源泉が、従来の有形資産から、知識・技術といった無形資産にシフトするに従い、将来のイノベーションの核となる技術を連続して産み出すこと、又、有望技術分野をいち早く認識し、着手し、製品化まで行うことが、国家、企業、大学、いずれにとっても、競争優位性を確保する上で重要な政策課題となっている。ところが、従来、日本における学術研究の多くは欧米へのキャッチアップを念頭において進められてきたという背景があり、それらの多くは、高いランクの学術雑誌に優れた論文を多く掲載することを目標としたものであった。その結果既に、日本の学術研究における競争力は米国に次ぐ地位となり、我が国の学術水準の高さは欧米で認知されている。しかし、その一方、学術知識の体系化という面での認識が低いという側面がある。特に、大学院において若手研究者は、研究室の研究水準を維持するため、俯瞰的視野を欠いたまま、研究室の最先端の、それゆえ高度に細分化された研究に従事するのが一般的である。
現在、日本国内には、競争力のある技術者・研究者を擁する企業や研究機関が多数あるが、それが産業競争力まで結びついていないということが多くの論者により指摘されている。それには研究者の俯瞰的視野の不足が影響しているのではないか。そのため、今ある知識を有効活用できていないのではないか。環境・エネルギー、医療・健康といった、現在、社会から要請されている分野ではまさに、個別技術だけでは解決できず、分野複合的な取り組みが不可欠であり、そのような分野複合的な課題に対しては、細分化・専門化された知識を構造化することが、各研究者-開発者-利用者-政策決定者間の円滑なコミュニケーション、新規技術の開発・実現のために必須である。先端技術であるIT、自然言語処理技術、複雑ネットワーク分析を活用することで、膨大に現存する論文や特許、さらにはデータベース等の知識資源より、有用かつ必要とする知識をリアルタイムに獲得し、知識間の関連を提示し、知識の構造化を行うことで、知識の効率的活用の支援が可能になる。もちろん領域科学の専門家は技術の必須要素であり、それなくして技術は成り立たない。しかし、現在の日本に相対的に不足しているのは、複数領域を横断的に見通せる、知識の構造化の専門家であり、そのための科学、知識の構造化の学問体系である。将来にわたり科学技術立国日本であり続けるために、知識の構造化が必要とされる。