人工知能学会発表報告 JSAI2019
2019年度第33回人工知能学会全国大会に参加してきました。
本会議は人工知能関連分野では国内最大規模の会議であり、人工知能関連技術に携わる様々な分野の研究者が一堂に会します。
33回目の開催となる今年は、6月4日から6月7日にかけて、新潟県新潟市にて開催されました。
本研究室からは下記11件の発表を行い、学会参加者との意見交流や、今後の研究の発展に繋がる情報取得を行って参りました。
◆引用/被引用関係や研究者ネットワーク情報などの学術ビッグデータを用いた研究
- 「異種ネットワーク上のノードエンベディング法による萌芽的研究分野特定のための分散表現抽出」(大知 正直、城 真範、森 純一郎、浅谷 公威、坂田 一郎)
- 「組織移動情報と研究者の学術生産性を用いた研究組織環境の定量評価手法の提案」(三浦 崇寛、浅谷 公威、坂田 一郎)
◆取引関係やM&A、ソーシャルメディア等の大規模なネットワーク情報を用いた研究
- 「移動データを用いた人間関係の抽出とその性質の分析」(浅谷 公威、鳥海 不二夫、大知 正直、森 純一郎、坂田 一郎)
- 「産業モジュール媒介性を持つ企業間関係の局所的取引構造に基づく推定」(神田 公平、佐々木 一、山野 泰子、坂田 一郎)
- 「ネット炎上におけるユーザーの共振構造」(小山 耕平、浅谷 公威、榊 剛史、坂田 一郎)
- “Detecting Technology Portfolios in the Semiconductor Industry”(邵 博華、浅谷 公威、坂田 一郎)
- 「ソーシャルメディア上の大規模情報拡散に関する俯瞰的可視化手法の提案」(榊 剛史、鳥海 不二夫、大知 正直)
◆機械学習・画像処理・自然言語処理等の基盤的な手法に関する研究
- “Unsupervised Joint Learning for Headline Generation and Discourse Structure of Reviews”-潜在的な談話構造を捉えたレビュー文書の教師なしヘッドライン生成-(磯沼 大、森 純一郎、坂田 一郎)
- 「勾配降下法を用いたニューラルネットワークにおける局所受容野の最適化手法の提案」(田爪 聡、大知 正直、坂田 一郎、森 純一郎)
- 「訓練済み深層生成モデルの潜在変数間相互条件付きサンプリングによるマルチモーダル双方向生成モデル」(今給黎 成彬、大知 正直、森 純一郎、坂田 一郎)
- “Using Sequence Constraints for Modelling Network Interactions Johannes”(De Smedt, Junichiro Mori, Masanao Ochi)
研究者の組織移動情報を用いた研究組織環境の定量評価法について発表した三浦修士課程学生。明快かつ聴衆の興味を引く発表で、発表後も聴講者から多くのご質問やご意見をいただきました。
磯沼博士課程学生による教師なし要約生成に関する発表。今年度から英語による論文発表が行われる国際セッションが始まり、日本人だけでなく外国人研究者とも多くの交流の機会がありました。
近年の人工知能分野の活況に伴い、人工知能学会全国大会も年々参加者が増え、今年も総参加者数が約2,900人と過去最高を更新しました。
このように様々な研究が溢れる中、こうした大規模な学会は、今後の研究課題や方向性の認識に大いに参考になる貴重な機会でした。
本研究室も、人工知能技術に関する基盤的な手法から社会応用まで繋がる研究に取り組むことで、引き続き学術コミュニティに貢献していきます。
(文責:磯沼 大)